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中小企業の事業承継には、「十分な準備期間」が必要!
・準備期間が短いと、「無用なトラブル」や「金銭面でのデメリット」も!
・十分な準備期間を設けて計画的に承継する会社を、国も応援!
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≪得≫ 「十分な準備期間」を設けた場合 |
≪損≫ 「十分な準備期間」を設けられなかった場合
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■会社事業の磨き上げ |
不採算事業の整理やリストラ等を承継前に終了できたので、後継者が経営に専念できた。 |
不採算事業の整理やリストラ等の後ろ向きの処理に後継者が追われて、事業承継どころではなくなる。
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■ヒト・モノ・カネの承継 |
後継者や従業員、関係者の了承を得た上で事業承継を行えたので、事業承継をきっかけに経営革新で業績アップ! |
後継者や従業員、関係者の了承を得られず、無用なトラブルが多発し、思わぬ税金の発生などもあり、資金繰りに窮することに。
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■その他 |
十分な準備期間を設けて計画的に事業承継していったため、「事業承継補助金」や「経営力向上計画の認定」を受けれた。 |
国のお得な制度を何も活用できなかった。 |
早めの着手が事業承継成功のカギ!
中小企業で事業承継を考えるとき、まず何をしないといけないかご存知でしょうか?
一般的には、「ヒト・モノ・カネの承継」といわれますが、それよりも優先して最初に行うべきは、現在の会社事業の磨き上げです。後継者が引き継ぎたくなるような会社にブラッシュアップしていくことが大切です。そのブラッシュアップの過程では、不採算事業の整理、時には人員や場所などのリストラクチャリングが必要なケースもあります。
「ヒト・モノ・カネの承継」では、「現経営者から後継者への経営の引き継ぎ」「取引先や従業員の引き継ぎ」、他にも「自社株評価の算出」や「退職金の準備」「相続税の納税資金対策・遺産分割対策」なども必要となりますが、どれをとっても多くの時間がかかります。
また、詳細は後述しますが「個人事業の方」や「借金や債務保証を抱えている方」は特に、事業承継の準備を早めにしておかないと後悔することになるかもしれません。
更には、後述する各種の事業承継スキームのどれを選択するにしても、準備期間が十分に確保できればできるほど、より最善の策を打つことができます。
つまりは、中小企業の事業承継には、「十分な準備期間」が必要であるということです。逆に短い期間で承継しようとすると、不必要なトラブルや金銭面でデメリットが生じる可能性がありますので、ご注意ください。
事業承継をキッカケに業績アップ!
十分な準備期間を設けて計画的に事業承継していく会社を、実は国も応援しています。その表れとして、例えば「事業承継補助金(詳細後述)」があります。事業承継補助金は、事業承継をきっかけに、「経営革新等に取り組む方」や「事業転換に挑戦する方」を応援する制度となっていて、「新事業の投資費用に最高600万円」「旧事業の撤退費用に最高600万円」の補助金が準備されていますが、補助対象経費が発生する前に事業計画書等の作成提出が必要です。
更には、事業承継を機に、「人材育成・コスト管理等のマネジメントの向上や、設備投資等により生産性を向上させよう」とお考えの会社は、「経営力向上計画」の申請をしておくと、金利面や税金面で有利に働く可能性があります(詳細後述)。
これら2つの制度は共に、事前の準備がないと受けられないようになっていますので、その意味でも「事業承継には十分な準備期間が必要」といえます。
2018.8.1執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。