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大得意先の与信管理こそ入念に検討すべし
与信管理は実行されていますか?
前項でみたように、得意先の多様化を図っておくことは企業の存続にとって大変重要なことではないかと思います。しかし、実際には多くの中小企業が大得意先に売り上げを頼っているのが現状ですので、少なくとも大得意先については与信管理に最善の注意を払って下さい。
そもそも「与信」とは、取引先に信用を与えることをいいますが、掛けで取引を行う時に発生します。つまり、「与信管理」とは、取引前及び1年毎など定期的に、会社等を調査し取引の是非や取引条件などを判断し容認できる売掛金の与信限度額を設け、得意先ごとにそれらを管理していくことをいいます。この与信管理によって、貸倒れリスクが大幅に減少することがあります。
与信管理の3ステップ
大得意先に対しては、最低でも1年毎には必ず以下の3ステップを参考に、与信管理を行って下さい。どの会社が倒産してもおかしくない時代ですので、間違っても「大手だから安心」などの曖昧な理由で、会社の生死を左右しかねない与信管理を甘くしないようにしましょう。
与信管理のファーストステップは「情報収集」です。「よく会っているし付き合いも長いから大丈夫」などといった先入観を捨てて、大得意先の会社やその業界に関する情報収集は、できる限りのことすべてを行いましょう。情報収集の主な方法には、「インターネットでの会社名や社長名、商品名での検索」「会社登記簿謄本の入手」「業界登録情報などの入手」「信用調査会社の報告書の入手」「知人などに会社や業界についてヒアリング」などがあります。
与信管理のセカンドステップは、「会社訪問」です。たとえ長い付き合いであっても、相手の会社への訪問は10年以上前というケースもよくあります。相手の会社に行くと、その会社の雰囲気から仕事の姿勢、ひいてはお金に対するルーズさなどがわかることもあります。古い記憶でこの会社は確か整理整頓の徹底した会社だったなぁと勝手にこちらが想像していたのが、実際行ってみるとビックリということもあります。また、会社訪問時には現在の営業担当者以外の方も同行するようにして下さい。担当者以外の第三者の目が重要です。
最後のステップは、「取引条件の再設定」です。取引条件とは、現金取引の割合や売掛金のサイト、与信限度額などです。
2012.12.1執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。