重大なミスを防止するための仕組みを構築すべし
イラチが重大なミスを引き起こすことも
「イラチ」とは、多分大阪弁で、「せっかち、すぐにイライラする気の短い人」の意味です。特に関西人は、歩くスピードが早かったり並ぶのに耐えられなかったりと、イラチな兆候がありますが、関西人というよりイラチな傾向は「中小企業経営者」に多いように思います。
イラチな社長は、すぐに結論を求めようとします。もちろん、そのこと自体は良い事でもあるのですが、すぐに結論を要求したときの中小企業経営における弊害は、「悪い情報が、社長に報告されない」という事です。最終的に社長に報告された時点では、「問題が大きくなって対処するのに時間やお金が多大にかかる」ケースが多いです。
また、社長がイラチであると、他の役員や従業員とのコミュニケーションにおいて、「会話に本来必要な無駄が無くなる」ので、「重大なミスが頻繁に起こる」ことがあります。イラチな社長のもとでは、「え、なんでこんなトラブルになっているの?」と首をかしげたくなるケースがあります。論理的思考のやり過ぎも要注意です。
イラチを直す
私も比較的イラチな方ですが、自分がイラチであるとはっきりと自覚して「あえてゆっくり話をきく」ようにしたり、「自分から結論めいたことを言わない」ようにしています。
しかし、一方イラチな部分が無かったら、今の自分は無かったとも思います。早急に結論にたどりつくことや、結果から考えていく論理的思考法などは、中小企業経営においてとても大切なことです。まさに、イラチな部分というのは野獣のような鋭さという側面もあると思います。
つまり、自分はイラチと素直に認め、そのイラチにはとても重大な悪影響を及ぼすケースがあることをきちんと認識することが大切ではないでしょうか。イラチの弊害を知って大問題になる前にそれらを食い止め、かといってその牙は無くさないようにして下さい。
失敗をさせてあげるのが経営者の役目
経営に影響を及ぼす重大な過ちは、それが発生しないように努力をするべきであると思いますが、逆に些細なミスや会社が耐えることができる失敗は、大目に見てあげる経営者の度量の広さも重要だと思います。
経営者の度量が広い会社では、ミスやクレームなどが隠ぺいされにくいと感じます。また、従業員の真の成長を願うなら、失敗させてあげることは経営者の重要な役目だと思います。
2012.12.1執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。